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只今、三部作目を発表中です。 一部は、バンドマンの彼と、彼を想う美沙の切なく哀しい物語。 二部は、美沙の妹、真幸の苦悩と、バンドマンの彼との関わり。 三部は、姉の美沙を探し、自分の存在価値が見つからない妹・真幸が、バンドマンの彼との関わりの中で大人になっていく様子。 ブログランキング参加しています。よかったらクリックしてくださいね^^ 人気blogランキングへ カテゴリ
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少し寂しいヒューウィーとのお正月が過ぎて、5日から平常通りの仕事が始まった。仕事始めには大した仕事もなく、みんなで休みの間の出来事を雑談したりして、午後3時には退社した。
ヒューウィーは、真幸が帰ってくるのを心待ちにしていたのだろう。鍵を開ける間中、ドアの向こうからワンワン吠えている。ドアを開けた途端、飛びついてきたヒューウィーに、ごめんね、と言ってぎゅっと抱きしめた。 2月になるとさらに冷え込み、すっかり冬らしくなった。雪がちらちらと降る日もあり、散歩に出るのがおっくうになりそうな日もあった。けれどヒューウィーは寒くても全然平気そうで、真幸を引っ張るかのように張り切って散歩をするのだった。 そういえばここへ引っ越してきたのは去年の今頃だったな――と思った。一年後に自分がどんな風になっているかを想像できなかったし、きっとずっと変わらないだろうと思っていた自分が少しでも変われたことが嬉しかった。変わらないことが当たり前で、変わりたくないと思っていた自分が、今、少し変われてここにいるということが、不思議な感覚だった。 でも、姉の美沙のこともまだわからないことがいっぱいあったし、キス健への気持ちもまだ整理がついてなかった。素敵な大人にはまだ程遠かったし、まだまだ自分に自信を持てない真幸だった。 3月になって仕事の部署が変わった。ほとんど一人で済ませることができる仕事から、人がたくさんかかわる仕事をする部署に行かなければならなくなった。 真幸は不安がいっぱいだったけど、移動してみると、仕事の内容はほぼ一緒だったから安心して仕事をこなせた。 たくさんの人がいる中で、自分がどんな風に振舞えばいいのかよくわからなかったけど、仕事さえちゃんとできていれば、この環境に慣れてくるかもしれない、そう気楽に思うようにした。 キス健にもそれを伝えた。不安な気持ちを伝えると、大丈夫じゃないかな、と励まされた。その言葉だけで頑張れる。真幸は不思議な力が涌いてくるのだった。 その日は朝から仕事が忙しく、午後になってどうにかメドがつきはじめて、やっと一息つけたのは3時の休憩に入る前だった。ふぅ、大変だったな――と一息ついているとき、部長に呼ばれた。 仕事についてのことかな、やっと一息つけたのに――不安になりながらデスクの前に行くと、 「4月から新入社員が入ってくるからね。男の子と女の子、ふたりがここに配属されてくるから、工堂さんの仕事を手伝わせつついろいろと教えてやって欲しい。4月に新刊がたくさん出て忙しくなるから、ふたりにはまずそれ関係の仕事を覚えてもらおうと思うんだよ」 「私がふたりに教えるんですか?」 「そうだよ」 「そんなこと・・、私にできるでしょうか」 「何言ってるんだい? いつもやってる仕事を一から教えてくれれば良いんだ。しっかりできてるじゃないか。真面目に教えていれば大丈夫だよ。よろしく頼む」 「はい……、頑張ります」 不安ながらも、こう答えた。 元々引っ込み思案で、人見知りな真幸は心配でならなかった。退社時間になり、帰り道も重い気持ちを引きずるようにしてとぼとぼ帰っていた。 帰宅してヒューウィーがまとわり付いてきたけど相手をしてやれずに、真幸は悩んでいた。 長い時間考えて、キス健にメールすることにした。こんな辛気臭い自分を見せるのは嫌だったけど、でもメールしてみようと思った。そこから長い時間をかけてメールを書いた。 送信ボタンをクリックして、それだけで気が少し楽になった自分を感じていた。今夜もどうにかゆっくり眠れそうな気がする。 まだまだ真幸にはキス健という存在が必要だった。
by misa1117es
| 2007-01-21 02:37
| [Ⅲ]第二章・真幸の日々
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