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只今、三部作目を発表中です。 一部は、バンドマンの彼と、彼を想う美沙の切なく哀しい物語。 二部は、美沙の妹、真幸の苦悩と、バンドマンの彼との関わり。 三部は、姉の美沙を探し、自分の存在価値が見つからない妹・真幸が、バンドマンの彼との関わりの中で大人になっていく様子。 ブログランキング参加しています。よかったらクリックしてくださいね^^ 人気blogランキングへ カテゴリ
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そのライブから数ヶ月。彼の全面的な協力を受けて[小説・その後]を今も書き続けている。 彼の作品をどこでどう使おうが、全て許可してくれている。どれほどの熟慮をしてくれているのだろう。時には適切なアドバイスもくれた。 それでいてみさがひとりで完成できるように、きちんと線を引いてくれながら見守ってくれている。 彼のことを考えていると、優しさと嬉しさに満たされてしまう。そんなとき、ふと一つのポエムが流れるようにしてごく自然に生まれた。 『別々の明日』 ねぇ いつかわかるときが来るのかな あのときの言葉の意味を ねぇ いつか思い出すときがあるかなぁ 大切だった時間の温もりを ねぇ 今はどうしてるの ねぇ 何をして過ごしてるの ねぇ 時々思い出してくれてるの 真っ白な紙に書きなぐった言葉の数 想いが上手く伝わらなかった涙の跡 心の罅(ヒビ)と想いの傷 どっちが多く持ってるんだろう 愛してるのすきじゃなくて 大好きのすきじゃなくて もっともっと 深くて静かなすき この「すき」の意味が解るだろうか ねぇ いつかわかるかなぁ 言葉の重みと想いの深さ ねぇ いつか聞こえるかなぁ あのとき言ってくれた音 ねぇ いつか見えるかなぁ まぼろしだった全ての景色 ねぇ いつか叶うかなぁ あなたの夢と私の願い 生まれたポエムを彼に見てもらいたいという気持ちと、しかしポエムを見せるという恥ずかしさを感じる気持ちがぶつかっていて、どちらも本音だという複雑な心境が生まれてしまっていた。その複雑な心境は、みさを少し混乱させていたけれど、[続・小説]を書いているうちに、何とか混乱は静まった。 続編部を書きながらも、どうしていても彼のことを考えてしまう。そんな中で気がついた瞬間には、前の小説を書いているときの出来事を、ふと思い返していた。 [生き急いだバンドマン]は一年前に書き上げて発表した小説だ。みさが[みさ]という主人公を書くという作業は、奇妙でいて、不思議な感覚で、そしてとても楽しいものだった。 このお話を読んだ誰もが、この主人公[みさ]が誰なのか、[彼」という人物が誰なのか簡単に想像はついた。友人に公開したのだから当たり前だ。しかしみさのことを知らない人が読んだときに、本当のことがどこで、創ったものがどれなのか、あくまでも曖昧に、読んだ人々の自由な解釈ができるようにしたつもりだった。 それを書くきっかけになったもの。 …それは、彼にもし何かがあれば…。 そこから始まった。 普通そういうことは考えないものだろう。何故か、みさはその時そのことを思ってしまった。 彼に何かがあった時、彼の作品はどうなるのだろう。 多くの素晴らしい作品が闇に葬られる。それを決して認めたくないみさが、ある意味短絡的に思いついたことだったのだ。 本を書く。 彼を題材にして、彼のエッセイやポエムや作品を織り交ぜた小説を書き、それをこの世に残す。 そう思いついたとき、同時に話のタイトルとサブタイトル、おまけに一ページにも及ぶ言葉がスルスルと出てきた。 ある日みさは思い切って、いや、何気なくだったのだろうか。彼の言葉を想像もせずに、ふと彼に伝えることを思いついた。そして伝えた。 「みさはおにいちゃんが死んだら小説を書くよ」 …当時、みさは彼のことをこう呼んでいた。おにいちゃん、という愛称。これもある日の何気ない会話から出たお遊びだった。けれど彼とみさの原点はここだったのだ。 「タイトルは、[生き急いだバンドマン] サブタイトルは、[彼が命を削って創ったもの] 一ページ目に、[その人に会ったのは、ネットの中だった] そんなお話を書くよ」 メールの相手に、あなたが死んだら、と伝えるということは普通ありえない。しかし、大胆にもそう伝えた。 しかし彼の返事もまた変わっていた。 「死んでからでは読めないので、今書いて」 メールを往信しあっている今なら、こう言うことは想像ができるけれど、その当時はまだ想像ができなかった。そしてその返事に、自分がなんてことを言ってしまったのだろうと、初めて申し訳ない気持ちになった。 そして、彼が本当にそう思っているのかどうか、それがどうしてもわからなかった。 「ごめんなさい。おにいちゃんを殺してお話書くなんてどうかしてるよね」 「いや、それはいいんだ。どう考えても死んでからは読めないからね。生きてるうちに読みたいので、今書いて」 そんなやりとりを数回繰り返し、みさは本当におにいちゃんが書いてほしい、読んでくれるのだと、理解できた。 しかしそれまでに読み手側だけにいて、手紙以外、ましてや小説のようなものを書いたことがなかったみさは、彼の反応を期待していなかったのだけれど、頭の中にあった構想とともに原型を一晩かけて書いた。そしてそれを送った。「ごめんなさい。大事なおにいちゃんを殺したお話を書いてしまいました」という言葉と、なんだか申し訳ないような気持ちと共に。 すると彼の返事は思わぬものだった。 「なかなか面白いですね。原型はこのままで、オリジナルなものを加えつつ、きちんと形にしてみたらどうかな? みさなら著作も何もかもOKだよ」 彼に見せるだけのことしか考えていなかったみさにとって、この時の彼の言葉はあとあとのみさ自身を変えることに気付いてもいなかったし、想像すら出来なかった。
by misa1117es
| 2006-04-09 03:46
| [Ⅱ][その後]第二章・4
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